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書評

[書評]好奇心を“天職”に変える空想教室/植松努

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新年一冊めの読書です。植松努さんという方のTED動画を見た事でこの方の本に興味を持ちました。リアル下町ロケットのような方。

夢を持つって何だっけ

男の一生というか人間の一生は何を成し遂げたかそれが大事な気がしてきた。うまい事は言わなくていい、カッコつけない無骨な言葉でいい。とにかく夢を持つ。
何になりたいかでなく、何を成し遂げたいか。それが大事なんだろう。ワクワクすることができるか。というようなこと。学校の勉強なんてできなくていい。日本の教育は試験をパスするための教育でしかない。それだけでは社会で通用しない。しかし、会社というのもただただ減点方式になりつつある。大企業病とか官僚主義とか。日本の大企業からイノベーションが生まれない時代。

人口は増減した方がいいの?

明治維新から急激に増えた日本の人口が2004年をピークに、今度は激減していく。その急降下する社会を歴史上初めて体験しているのが今の私たちです。1945年の終戦時に約7,000万人が、約60年後の2004年には1億2,000万人になる。そうすると、もう右肩上がりの経済は難しくなっていくのでしょう。そして、それは給与にも表れる。つまり終身雇用も定期昇給も期待はできない世の中に既になっている。個が何ができるか。最近AIに仕事を奪われるという話題も多いですが、そもそも労働者が減っていくのであれば、それも仕方がないのでしょう。
少子高齢化という時代ですが、若者が少ないと多いのはどちらが良いのでしょうか。多い方が国の成長が見込めそうですが、なんというかバランスというものが大事な気がします。なんでも過剰なものはよくないですが、高齢者が多かろうと本質的には世代の多さとかバランスより大事なことがある気がします。うまく言えないですが、数ではなく質こそ大事なんですね。

選択肢を見極める

あえてプレッシャーのかかる方を選択するという著者の考えは、迷ったら危険な道を選ぶという岡本太郎氏の考えにも似ています。人間はどうしても楽な方に逃げがちです。夢も努力も諦めるのは簡単なので、誰もが流されそうになってしまうでしょう。
何になりたいかでなく、何をやりたいか。そう考えるのも大事ですね。仕事はやはり、何かの職業になったらゴールではなく、その職業で何をやりたいかを考えないといけないですね。結婚もおそらくそうでしょう。誰かと結婚したらゴールではなく、その人と結婚することで、どうなりたいか、何がしたいかを見つけることが大事なんでしょうね。

「夢」そのものに向き合う

何もしない人生ってある意味理想ですね。無気力という意味ではなく、今の世の中常に問われ続ける自分が何者であるか。という問いに。人の人生に意味なんてなくて、意味を与えれるのは自分だけ。ひと昔前なら、お上や天皇とか封建社会的な考えで、自分が仕える人のために生きるという意味があったのでしょう。意味なんて考えなくてもよかった。それが現代は戦後になって、市場経済、資本主義が神を金に変えてしまった。そうすると自分で意味を与えないといけない。うまくできる人は良いですが、鈍臭い私のような人間には辛いです。ついていくのに必死です。水木しげるがラバウルあたりで戦後に人間社会に戻るのをためらったエピソードが好きです。原住民とその日暮らしの原始的な生活をしようと悩む。確かに人間社会に疲れてしまった時に、こんな風な生き方に憧れる時もあります。まあ実際には蛇など爬虫類が嫌いなので、文明社会に囲まれた私はサバイバルなんて到底できないですが。
植松さんの考えは全体的にシンプルです。とにかく夢というものに対して、まっすぐ向き合い、周りに無理と言われても諦めず自分のやり方で足掻き続ける。そうして夢に近づいていったのでしょう。なんというか不思議な印象の方。穏やかそうな見た目ですが、とてつもない情熱を内に秘めているのでしょう。

追い続けるのは疲れる。だから夢を諦めたくなる。

改めて夢を持つことの大事さを考える。その反面私の好きな本で、「諦める力」「クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方」という2冊があります。ある意味夢に対してのアプローチがこの本とは真逆の本です。夢を諦めるのがいいのか、夢を諦め続けないのが良いのか。どちらにも共通していることは、夢ということに真剣に向き合っていることですね。前の2冊は、また違う機会に紹介しようかと思いますが。夢というのは魅力的な反面、危険なものな気がしてきました。それにとらわれすぎると逃げることができない。叶わない夢を追い求め続けると、現実がおろそかになる。地に足のついた人生を歩めと大人は言いますが、何歳になったら夢を諦めるべきなんでしょうか。そこで生み出したものが、「節目」という概念でしょう。人間は節目というものを使って過去の自分にけじめをつける。そうして大人になっていく。逆に言えば、わざわざ節目を作らないと次に進めない。ある意味大人って不便ですね。気持ちを切り替えるために儀式的なものがないといけない。子供の方があっさり次に進めたりできるんですね。さて、今年はどんな年になるんでしょうか。私なりに今の仕事の節目が見えてきたので、新しいことを春くらいから始めれたらいいですね。こうしてまた歳月が流れ、私の夢も薄れていくんでしょう。夢を諦める度に一つ賢くなり、一つ老いていく。もう戻ることはできない場所、帰還不能点。point of no return

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