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書評

[書評]常識からはみ出す生き方 ノマドワーカーが贈る「仕事と人生のルール」 クリス・ギレボー 著

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この著者クリス・ギレボー氏は、ノマドワーカーとして働きネットビジネスで成功された方です。たまたまおもしろそうなタイトルだったので手に取ってみました。というのも最近日本でも聞くようになったノマドという働き方に私も興味があるからです。著者はこれまでに世界183ヵ国も旅をされたようです。日本でいうと高城剛さんのようなイメージでしょうか。世界中を渡り歩いて、自分が一つの場所に居続けない。この方も落ち着くことが嫌いなんでしょうか。私はどちらかというと、一つのものをひたすら作り続ける職人肌の人間だと思っています。だから私はノマドには向いてないかもしれません。ただ漠然と憧れのようなものはあり、世界を渡り歩く人生というものを羨ましくも思います。

人は年齢を重ねるほどに、挑戦することや価値観が変わることを恐れます。それは生き物として自然なことです。それまで積み重ねた経験で凝り固まってしまうと、新しい異物を受け入れることが難しくなるからです。若さとは大きな失敗と大胆な挑戦が許されるからですね。では何歳になったら若さを失い、失敗が許されないのでしょうか。そこで世間体というわかりやすい物差しが出て来ます。多くの人がこの世間体と今の自分を比べて、安堵したり焦ったりするのではないでしょうか。仕事、結婚、資産、住宅など人生に関わる指針に対しては特に敏感になるかと思います。第4章にあるような、「普通はこうすべき」という価値観は自分で生み出している幻想なのかもしれません。特に日本では再チャレンジが難しく、多様性のある働き方は歓迎されにくいイメージがあります。しかしすべての価値観は自分が決めるものです。自分で自由に価値観を持てることは実はとても幸せなことだと思います。平和な世の中だからできることです。

「小さな友軍」とは何か

第7章に「小さな友軍」というフレーズが出てきます。自分の世界の味方を作るというようなイメージだと思います。確かに自分の夢を応援してくれる味方は多いほど良いですね。そしてリーダーになるということは影響力の大きさを考えれることも大事というようなことも納得できます。そしてWeb時代である現代において、SNSを有効活用することも非常に納得できます。私も様々なSNSで使い方をこまめに勉強して共有することを大切にしています。そして、メッセージなど送ってくれる方の意見を参考にさせていただくこともあり、とてもありがたいことです。

著者は日本人ではありませんが、作家の村上春樹氏が好きなようでその世界観を好んでいると9章にあります。村上春樹氏は30歳で処女作を刊行した後に、自分を支援してくれる読者との関係性を発展させるために大半を費やそうと決めたとあります。
自分のファンのため、無駄をなくし生活を本質的なもので構成する。確かに自分の日常にはあらゆる無駄が溢れている気がします。必要かどうかわからない雑用や社内調整、膨大なメールや電話対応など、組織で働くということは自分以外の人との関係のために動くことが多いです。それも含めて自分や会社の利益のためとも言えますが、本当にそれらすべてが必要で、その作業で会社が良くなってると言えるのでしょうか。過去に数週間費やして、一瞬でボツになったプロジェクトがありました。徒労に終わった気持ちと、利益に結びつかなかった悔しさが溢れました。自営業であれば利益が一切出ない仕事に数週間費やすなんてありえない行為ですね。しかし組織の中で働くと、ここまで極端なことは少ないにしても、このような出来事は起こります。痛みに慣れて悔しさを忘れてしまうことがとても辛いです。鈍感になって行く。諦めが前提になってしまうことがとても怖いです。それが大人になるということなら、なりたくありません。

時間や場所に縛られない働き方は今後もより発展して行くと思います。それはテクノロジーの進歩もあります。特にWebなどの情報を共有する技術がより早く、より膨大な量で行なわれることでさらに加速して行くと思います。そしてそんな未来が来た時に自分がどうなっていたいか。会社に所属するも、ノマドになるも様々な価値観と考え方があります。
しかし、本質的な部分は変わらない気もします。というよりも変えていけない部分があります。仕事によって得る対価によって生活を営む。これがどんどん曖昧になってわかりにくくなってしまうことは良いことではないと思います。便利になることは良いですが、自分を失わない。そう思います。常識をはみ出す行動力があることは良いことですが、無茶苦茶をやるという訳ではありません。イノベーションを起こしたいなら、無茶をするのではなく本質を捉えるということでしょうね。ブラッシュアップなど、良いものを磨きあげることがイノベーションになると思います。

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